Blue Bird の旅

北ドイツでの生活

ルーツ

私の両親は、どちらも東京で生まれ育ち、城東エリアに縁があります。母方は途中で千葉の方に引越ししたみたいですが。

最近そのことをより意識する出来事が重なって、自分のルーツについて少し考えています。

私の両親は、結婚当時、新興住宅で人気のあった、千葉湾岸の埋立地に引っ越しました。

海の上に土地ができ、歴史も縁も何も育まれていない土地。そこで私は生まれ育ちました。なので私自身は、土地と文化のつながり、歴史、そういうものをあまり感じることなく育ったので、かえってそういうものに敏感で、憧れ、東京の入り組んだ街並みを探索するのがとても楽しいのです。家を出てからは東京に13年間住みました。そして東京以外にも、歴史、重みのある街並み、変化して行く街、そういうものを感じるのが好きなのです。

ただ、新しい土地、埋立地に住む、ということはなかなか経験がある人は限られていると思いますが(そこに住んでる人以外は)、新しいまっさらな土地の良い面もあります。何のしがらみも土地に埋め込まれるような重たい物がなく、自由に意識を巡らせて、生きていけるのです。そしてここにいる人たちは東京にルーツがある人も多いので、付き合い方はさっぱりしてる。

そこで生まれ育った私はある種の潔癖な部分も持ち合わせており、都会の歴史、便利さなどの素晴らしい面と同時に都会のドロドロとした垢の様なものを見ると、そういうものに耐えられなくなることもあります。

しかし今回、やっぱり私の家族のルーツは東京にあるんだとわかり、そのもっともっと祖先のことはもうわかりませんが。自分のルーツは東京にあるんだと、思った方が、腹にスッと落ちるというか、確かにそうだよなと、感覚的に納得できます。

もちろん、千葉の生まれ育った土地にもこの50年位で歴史が生まれ、これからもどんどん歴史が育まれて行くのだろうと…。なのでこの場所に愛着があり、“故郷だ“と感じます。

そこから、急にポーンと北ドイツに飛び出した、私。この大きな変化の先に何が待ってるの?

少なくとも、私も歴史の一部になれたらいいな、なんて思います。「あの時、おじいちゃんとおばあちゃんが出会ってね、おばあちゃんが日本からドイツに行ってね…」と。

やはり、先祖がここでこのように暮らしていたのかとか、何を考えたのか、と考えると愛おしいのです。そういう一部に私もなりたいなと…そう思います。