本当の自分とは何だと思いますか?
日本からドイツに移住して、
全くとは言わないけれど、違う世界に住んでいる実感があります。
一方で、日本での時間も進んでいて、そこに存在している。
パラレルワールドっていうんでしょうか。
ドイツに住んで一年、行ったり来たりしましたが、だんだんここに住むことに愛着が湧くにつれて、日本に住んでいた頃の記憶も少しばかり薄れてきています。
記憶というよりか、感覚っていうんでしょうかね。こちらのゆっくり時間に慣れてきた。
もちろん、移住してから帰国した時のことはよく覚えてますが。
私がもといた世界はなんだったのか。
今いる世界はなんなのか。
漠然とそんな風に考えるようになりました。
秋だからですかね。
人生は、生まれて育った世界が本当の人生だと思いますか?
それとも、新しく得た世界が本当の人生だと思いますか?
例えば、実家には22歳までいたとして、実家を出て22年以上経てば、長さだけでの問題ではないですが、だんだん逆転していく。
私は36歳でドイツに移住しました。2倍にすると72歳。
私が72歳になったとき振り返ったら、どう感じるんでしょう?
ちょうど人生の折り返し地点みたいなところでドイツに移住してきた。
将来振り返ったら、どっちが私の本当の世界だったのだと思うんだろう。
必ずしも先に訪れたものが重要とも限らないし、後から来たものが重要とも限らない。
はじめが肝心とか終わりよければ全てよしか。
どっちも本当の世界で、それが広がったんだと捉えられるほど、私の脳のキャパシティは広がってないようです。
まあその辺の人生に対する自分自身の総合評価っていうのは、きっと命の灯火が消える直前にわかるものなのだろうけど。
最後が苦しかったからといって、苦しい人生だったとは言えないし、最後が幸せだったからといって幸せな人生だったとも言い切れないだろう。
そういう評価をしないということが、いいのかもしれない。それがありのままを受け入れるということなのかも。
存在していることに、いいも、わるいもないのだ。
なんだかわからないけど、今日もここで生きている。