Blue Bird の旅

北ドイツでの生活

リバウンド

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体重の話ではないです。もちろん体重も増えてますが、ダイエットの話ではないんです。

 

外国に行くと米が食べたくなる、と言いますが、本当にそうです。本当にそうなんですがもうちょっと複雑な状況が生まれます。

 

ドイツはパン社会(?)です。パンが米のような感覚で存在しているので、パンを食べるのが自然なライフスタイルに全てなっているのです。

 

なのでここで私が、米が食べたい、日本食が食べたいからといって、無理やり日本食を日々の生活にねじ込むと、それはそれで違和感があって、無理があって、疲れるんです。

旦那さんは日本好きですが、やっぱりドイツ人なんで、ドイツ人の定番を食べたい。なのでテーブルにはハムとかサラミとかバターがのります。私がここで日本食をねじ込むと、米と、お味噌汁と、納豆、冷奴がテーブルにのります。これをそれぞれ楽しむことになるのですが、見た目的にはちょっとしたカオスですよね。もう、バターと豆腐の見分けがつかない。ツナサラダ🥗がありますが、これは唯一中間的な存在と言えるかもしれません。

これはこれでできるんだけど、やっぱり無理矢理ねじ込む感じがあって、「今日は日本の食べ物を食べるぞ!」と意気込まないと準備できない部分もあって、疲れて諦めちゃうんですね。

「やっぱり郷に入っては郷に従えだろう」と。

そして、何日か、完全にドイツ的食卓で頑張る。1週間、2週間ぐらいは頑張れる。

「ふんふふんふふ〜、あれ、ドイツご飯全然大丈夫じゃない?ドイツのパン美味しいし。よく考えたら日本でも洋食普通に食べてるしね?いけるいける…私ドイツ生活楽しんでる…」

とあ〜慣れてきた〜と思う頃になると、

「今日は絶対にパンを食べたくない」

という日が突然訪れるのです。パンだけではなく、パスタや、ジャガイモといった、日本人にとっては主食でないものもしかりです。

もう一歩も先に進めないとばかりにパンが食べたくなくなるのです。

 

そういう日は、もう急遽米を炊き、味噌汁を作り、日本を緊急補給しなければならない状況になるのです。

これはある種のリバウンドなのかなと思ってます。自分のアイデンティティとは違う方向に徐々に、騙し騙し引っ張られていく。まもなく完全に同化できるかな…なんて思ったところに

「いやまて、お前日本人だろー!!!」

ってもう1人の自分が絶叫して、引き止められてしまう。これはアイデンティティというか、生理的な問題もあると思うけど。まあ、精神的なものと生理的なもの、両面と言えるかな。

 

それでパチンコだまみたいにぎゅーんとはじかれて、「私は日本人です」ってところに戻ってしまうんですよね。

 

このリバウンドの振れ幅が狭くなることはあるのだろうか?この行ったり来たりを繰り返していって、気づいたら両方とも自分のものになっていた、というのが理想なのかなと思う。

ただ現在は、やっぱり「ドイツのもの」は「自分のもの」になっていないので、そういう反応が出てしまうんだと思う。

しかし、「うわー!今日は絶対にパン食べたくない、ご飯!」ってなってからお米炊くんでは遅いんですよね。ありがたいことに炊飯器はあるんですが。次のステップとしては、「炊いた米を小分けにしてレンチンして食べたい時に食べる」です。しかし現在電子レンジがないので、今買ってもらおうと交渉中です。

あとは予防策として、緊急事態になる前に日頃からやっぱりちょっとずつ、日本の食べ物を食べておくと気持ち的にリラックスできますね。

例えば、大豆製品なんかは肉が主要タンパク源のこちらでは意気込まないと手に入らないものの代表なので、日本食品店で買っておいてストックしてちょこちょこ食べるとか。やっぱり納豆や豆腐を食べた時の満足感というのは他のものには変え難いものがあります←ただの納豆好き…

 

というわけで、ドイツに暮らしながら、日本人であるというアイデンティティをどんな風なバランスで保って行くのか、というのは今後のテーマにもなっていくのかなと思います。

ドイツの生活の中で常に日本を意識して暮らすのは難しいと思うし、私は日本人だ!と主張することでめんどくさくなるなら、まぁなるべくスムーズな存在でいたい。けれども人間ってそんなに簡単に順応できないよなって。

これもまた毎日の積み重ねなので、少しずつ経験を重ねていこうと思います。

ところでドイツにも豆腐は売ってますが、消しゴムみたいな歯応えで、塩やその他で味付けがしてあり、さらにオリーブやチリが入っていたりと色々アレンジがあります。豆腐ではないと思って食べれば美味しいと思います。

今回はアイデンティティのリバウンドのお話でした。