Blue Bird の旅

北ドイツでの生活

旅路1 2006年 ドイツへの扉

何回かに分けて、ドイツに住むことになるまでの流れを書いてみたいと思います。

自分の身に起きていることがまだ信じられないことも多くて、整理や振り返りのためにも書いてみます。

 

私が初めて旦那さんに会ったのは、大学生3年生の時でした。私は今36歳(あとまもなくで37歳になる)、15年前、2006年のことです。

あれ、ちょっと正確な年がよくわからなくなって来ましたが、だいぶ前から知っていたということなんです。

 

私の通っていた大学には国際文化学部というのがあって、ちょうどその年はドイツとの交流記念イヤーとかで色々なイベントが行われる予定で、そのイベントの一つとして、北ドイツの高校(ギムナジウム)のビッグバンドが、大学に来て交流演奏をするというので、その企画に参加したのです。その時の、引率の音楽の先生が、旦那さんでした。その時ある意味、私とドイツとの縁が出来たのです。

 

おっとその前に、大事なことを忘れていました。私は大学時代に「ビッグバンド」と言って、スウィングジャズを演奏するサークルに入ってました。これの説明だけでまたすごく長くなるので、また別の機会に…

 

私は大学に入学後、普通大学だったのですが、漠然と何か、音楽をやりたいと思っていて、サークルを探してました。本当は美術の大学に行ってみたかったけど叶わなかったので、かわりに何か、表現することをやりたかったんでしょうね。

それで新入生歓迎イベントで演奏をしていた、「ビッグバンド」というスタイルのバンドの演奏を聴いて、「ちょーかっこいい!」となり「これだ!」となって、体験会みたいのに行ったのです。

その当時、学生サークルというのは、独立して「学生会館」というものを持っていて、学生が自治運営してました。学生運動時代の名残りのある、おどろおどろしい建物なのですが、その地下のスタジオでそのサークルは練習してたのです。友達と一緒に、その地下の階段を降りて行った時の恐怖と興奮は今でも忘れません。この先に行ったら何があるのか…。

勇気を出して降りていった先には、薄暗ーい中に灯りのともった部屋がいくつかあり、その中にバンドの先輩たちがいて、楽器を演奏してました。それは普通の吹奏楽の雰囲気とは違う、ジャズがジャズたらん、退廃的な雰囲気もあり、ひよっこの私はそれにも「カッコいい」と思ってしまったわけです。

先輩達は話してみたら、人懐っこく優しい人々だったので、安心しましたが、でもタバコはぷかぷか吸うわで、ちょっと怖かった面もありました。

そして、中に入って自己紹介をして、はて?ところで私は何を演奏する?となって、子どもの頃にピアノは習わせてもらったけれど、金管楽器なんて習ったことも触ったこともない。

まぁ、でもやれば出来るかな〜という感じで、トロンボーンにしました。本当はトランペットもいいなぁと思ってたのですが、トランペットは人気で、希望者が沢山いたので、競争率の低い地味にのびーるトロンボーンにするか!とトロンボーンを演奏することにしました。

まあ、実際はそういう消去法的な選択ではなく、その時先輩たちが、トロンボーンのセクションを演奏してくれたんですが、そのハーモニーの暖かさとクールさがすごく心地よくって、その時にトロンボーンに惚れてしまったというわけです。

その後初心者の私はそのトロンボーンを片手にそのバンドで4年間、奔走するんですが、それについても、話せば長くなるのでまた別の機会に書きます。

 

そして、初心者から入部して、なんだかんだで私はマネージャーになり最後にはバンドマスターになるんですが、その大学3年のマネージャーの時、冒頭の、ドイツの高校生ビッグバンドとの交流演奏が行われました。

そして、大学4年生、卒業間近の3月、今度は反対に、ドイツの学校の方からうちのバンドが招待され、2007年3月に1週間ほどの演奏旅行でドイツ行きました。それが初めてわたしがドイツに降り立った時だったのです。

その全てを企画していたのが、今の私の旦那さんです。もちろん自分の大学の教授の全面的サポートもありました。私はマネージャーでありのちにバンマスだったんで、企画の段階で色々メールでのやりとりがあったんですね。それでお互いの連絡先を知っていたんです。もしわたしがマネージャー・バンマスでなかったら、いちメンバーとして関わっただけで、その後の交流はなかったかもしれないですね。そこはその後の流れの大きなカギだったかもしれません。

 

ここではて、あんたが大学生の時に、旦那さんは学校の先生ってことは…いくつ歳が離れてるの?と思いますよね。16歳です。出会った当時、私は21歳、彼は37歳。今の私と同じ歳です。

それなので、お互い、将来こんな運命になるなんて微塵も思ってません、年齢的にもギリギリ、範囲内…かどうか?位なので。20代から見たら、アラフォーの人は十分おじさまの領域に見えたので…でも自分が30代になったら、物の見方も変わりましたけど。逆に相手から見たらわたしは高校生に毛が生えたの位にしか見えなかったと思います。

この歳の差はのちのちになってもいろんなシーンで影響出てくるのです。

 

ふぅ、そんなわけで、ドイツへの扉が少し開いたのはこの時なのでした。まあ、ドイツというか、主人との出会いということですが。

でそのあと交流が順調に進むのかといえばそうではないのです。

私たちが再び出会うのは、10年後、なのです。

 

さて、今回はこの位にします。